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無痛分娩を選べば死亡事故のリスクを負う!?そのメリットとデメリットとは?

   

2015年の夏、兵庫県神戸市の産婦人科クリニックで当時33歳の女性が無痛分娩に臨み、意識不明となったまま、2017年5月に亡くなるという事故がありました。そして2017年1月にも、大阪府和泉市の産婦人科医院でも、同様の死亡事故が起こっています。

無痛分娩は、通常分娩と比べると、リスクが高いのは否めませんが、欧米では一般的な出産方法でもあります。そこで今回は、無痛分娩のメリットとデメリット、死亡事故を起こさないために必要なことについて、一緒に考えてみたいと思います。

2015年の神戸のケースにみる事故の原因とは?

では、2015年夏に起きた、無痛分娩の事故を例に、その原因や事故の過程についてふり返ってみましょう。そもそも日本の無痛分娩では、「鼓膜街鎮痛法」という、細いカテーテルを脊髄を覆っている硬膜の外側に挿入し、麻酔を注入するという方法が用いられるのが一般的です。

この方法だと、以下の2つのメリットがあります。

  • 妊婦さんの意識は明瞭なままで、鎮痛効果が高い
  • 呼吸に影響が出にくい

ですが、硬膜外鎮痛法の処置が難しく、専門の麻酔医でなければ、事故のリスクがあることは否めないようです。実際に神戸のケースでも、硬膜外麻酔を注入された直後から女性が苦しみ出し、息ができないと訴えていたといいます。

硬膜外麻酔を注入する際に医師は同席しておらず、外来患者の診察を行っており、看護師に呼び戻されても適切な処置ができず、麻酔注入から約25分経過後、大学病院に搬送されました。

緊急帝王切開手術で出産はしたものの、女性が脳に受けたダメージが大きく、意識が回復しないまま翌々年に死亡、産まれてきた男の子も出産時に呼吸不全だったことが影響して、脳に酸素が十分に行きわたらなかったことから、現在でも病院で治療を受けているといいます。

この事故の原因は、カテーテルが硬膜ではなく、その内部のくも膜下腔に挿入され、そこに大量の麻酔薬や注入されたことで、呼吸不全に陥り、脳の酸素不足を招いたと考えられています。

そして事故の際、クリニックで唯一対応可能な医師が硬膜外麻酔の最中に離籍したこと、緊急時に何の処置も行わなかったことが、死亡につながったといわれても仕方がありません。

無痛分娩のリスクとは?なぜ欧米よりリスクが高いのか

無痛分娩は、通常分娩と比べて、死亡率が高いというわけではありません。厚生労働省が発表した、2010年1月から2016年4月までの妊産婦死亡数は298名で、死亡率は1%です。中でも無痛分娩で死亡した数は13名で、妊産婦死亡数全体の13%にすぎません。そう考えると、無痛分娩での妊産婦死亡率は、かなり低いといえます。

そもそも無痛分娩は欧米で盛んで、2008年の調査によるとアメリカでは61%、2010年の調査によるとフランスにおいては80%にもなっています。対する日本は、2016年の無痛分娩の実施率は、わずか2.6%でした。

では、無痛分娩が行われることが多い欧米より、日本で受ける方がリスクが高くなる理由は何なのでしょか。それは、日本では産婦人科の個人病院やクリニックで無痛分娩が行われることも多く、麻酔医や新生児を診られる小児科医などが常駐していないことで、万が一のときに処置が遅れることが原因と考えられます。

無痛分娩のメリットとデメリットとは?

では、無痛分娩を受けるメリットとデメリットには、どんなものがあるのでしょうか。

まず、無痛分娩を受けるメリットとしては、以下の5つがあります。

  • 陣痛が軽減する
  • 出産による母体の負担が軽い分産後の回復が早くなる
  • 陣痛への恐怖心を払拭できる分リラックスして分娩に臨める
  • 血圧や血糖値の上昇が抑えられることで持病があっても経膣分娩できる可能性が高まる
  • 緊急帝王切開手術へスムーズに移行しやすい

一方のデメリットとしては、以下の7つがあります。

  • 麻酔の効果には個人差がある
  • いきみにくくなるケースがある
  • 分娩の進行に影響が出る可能性がある
  • 陣痛促進剤の使用や吸引分娩・監視分娩になる確率がアップする
  • 少数ではあるが合併症のリスクがある
  • 実施できる産婦人科が少ない
  • 費用が高くなる

また、無痛分娩を行うことで、産婦の血圧低下や発熱、頭痛やかゆみが起こる、排尿しにくくなる、腰痛や下半身の神経障害が起こるケースがあるという、リスクがあることも理解しておく必要があります。

安心して無痛分娩に臨むためにすべきことは?

日本には、お腹を痛めて分娩すべきという概念がありますが、大事なのは母子ともに安全な出産を実現することです。そのため、欧米のように無痛分娩を選択することに、後ろめたさを感じる必要はありません。

ですが、無痛分娩を選択する際には、病院選びが重要な点となります。無痛分娩のメリットだけでなく、デメリットもきちんと説明してくれること、麻酔医や小児科医がいるなど安心できる環境が整った病院であることなどです。

個人病院で無痛分娩をすることを考えているなら、その際の病院の耐性や、万が一事故が起こったときの対処法などについて、きちんと説明を求め、家族も含めて納得してから臨むべきです。医者任せにするのではなく、当事者意識をもって、無痛分娩について調べ、信頼できる病院で施術を受けましょう。

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