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出産前に知っておこう!新生児一過性多呼吸って何?後遺症は残る?

   

長い妊娠期間、そして出産を乗り越えてようやく出会えた赤ちゃん。ママは無事出産を乗り越えて一安心したいところですが、赤ちゃんによっては生まれてすぐ呼吸に障害が出ることもあります。生まれたばかりの赤ちゃんに何かあると分かると、ママは不安になってしまいますよね。

今回紹介する「新生児一過性多呼吸」は赤ちゃんにおこる呼吸障害の中でも、比較的よくみられる症状です。出産の前にどんな病気で、どんな症状が出るのか、治療法や後遺症の有無などを知っておくと、万が一自分の赤ちゃんが同じ症状が出ても不安を軽減できると思います。

今回はこの「新生児一過性多呼吸」について紹介します。

呼吸障害、「新生児一過性多呼吸」の症状や原因は?

赤ちゃんの肺は、ママのお腹の中にいる時は「肺液」という液体で満たされています。そして出生後は空気で膨らんで通常の呼吸に変わります。赤ちゃんの呼吸は、出生前後で劇的に変わるんですね。

この変化の準備として、妊娠後期になると胎児の肺液は減少し始めます。そして分娩が始まると、さらに肺液は体内に吸収され減少していきます。産道を通過する時には、赤ちゃんの肺が圧迫されることで、肺の大きさも小さくなり、その後産声を上げることで空気が一気に肺の中に入り、肺が広がります。

このようにして、正常なお産を終えた赤ちゃんの肺液量は、生まれてきた時点で1/3ほどに減少し、残りの肺液も生まれた後に少しずつ体内に吸収されて減少していきます。

新生児一過性多呼吸は、これらの一連の流れのどこかが乱れることで、赤ちゃんの呼吸確立が上手くいかずにおこると言われています。

例えば陣痛が来る前に予定帝王切開の場合や頸管無力症など急速にお産が進んだ場合などは、お産前の肺液の分泌抑制がおこりづらくなります。また帝王切開ではお産による肺の圧迫を受けないため、肺液が排出がおこりません。低たんぱく血症や貧血があると、肺液が体内に吸収されにくく、発症しやすくなります。

新生児一過性多呼吸の症状としては、赤ちゃんの呼吸数が増え多呼吸になる息を吐くときに呻き声がする(呻吟)酸素不足により皮膚が青みがかった色になる(チアノーゼ)などがあげられます。

出産後、どんな流れで治療になるの?

まずは新生児一過性多呼吸であることの診断がされます。生まれた直後に赤ちゃんの呼吸状態を見て、多呼吸(1分間に60回以上呼吸をしている状態)であると判断した場合は、他の呼吸器疾患でないかを赤ちゃんの状態から確認します。肺の状態をみるために胸部レントゲン撮影を行い、診断を行います。他の呼吸器疾患ではなく、レントゲンで特徴的な所見が見られれば、新生児一過性多呼吸であると判断し、治療を開始します

新生児一過性多呼吸の治療方法は、軽症の場合は酸素の投与を行います。酸素が出るマスクを顔に装着したり、鼻にチューブをあてたりして、赤ちゃんに酸素が届くようにします。酸素の投与を行っても症状が改善しない場合は、赤ちゃんの気管の中に管を入れて、肺の中に空気を直接送り込みます。時には人工呼吸器を装着する場合もあります。また肺サーファクタントといって、肺が広がるのを助ける薬を投与する場合もあります。

新生児一過性多呼吸は後遺症があるの?

生まれてすぐの赤ちゃんがしんどそうに呼吸をしていたり、身体の色が変わったりすると、ママはとても心配になりますよね。そして元気になるのか、後遺症は残るのかというのはとても大きな心配の一つだと思います。

新生児一過性多呼吸は、一過性で短期間で改善することが多い病気です。産後1~3日ほどで肺液は体内に吸収されていき、1週間以内には赤ちゃんの呼吸も落ち着いてくることがほとんどです。そのため、新生児一過性多呼吸は予後も良好であり、ほとんど後遺症を残すことはありません

ただし発見が遅れたり、適切な治療が行われず赤ちゃんの酸素不足が長い時間続くと、赤ちゃんの脳に酸素が行かず、後遺症が残るリスクは高まります。そのため医師や看護師が生まれた直後の赤ちゃんの様子はしっかりと観察しているので、安心してくださいね。ママも何か赤ちゃんの様子が変だと感じたら、すぐに相談するようにしましょう。

またまれに「気胸」といって、肺に穴が開いて呼吸がしづらくなる疾患を合併する場合があります。

退院後自宅での看病や注意点は?

上で説明したように、新生児一過性多呼吸は「一過性」で改善する病気です。赤ちゃんの肺の中に残り呼吸の邪魔をしていた肺液が、きちんと体内に吸収・排出された後は、赤ちゃんも通常の呼吸ができるようになります。

最初はNICU(新生児集中治療室)に入り様子をみながら治療をする必要がありますが、落ち着いてきたら通常の病室に戻ることができます。その後も入院中に呼吸状態が変わりないか、様子観察をしてからの退院になります。呼吸状態に問題がないと医師が判断してから退院になるため、基本的には退院後は普通の赤ちゃんと同じように過ごすことができます

生まれた直後にNICUに入って処置をしたり、様子観察が必要だったりした場合、退院後もママは不安に思うかもしれませんが、特に気をつけることはないので、安心して育児に取り組んでくださいね。

新生児特有の病気なので予め理解しておこう!

「新生児一過性過呼吸」という病気について、少し分かっていただけたでしょうか?生まれてすぐ治療が必要になることが多く、ママは不安になりやすいと思いますが、予め病気について知っていれば、急に医師から病名を聞いても少しは安心できると思います。

特にこの病気は適切な治療を行えば、数日で赤ちゃんも回復し、後遺症もほとんど残らない病気なので、ママはあまり過剰に心配しすぎず、赤ちゃんの側についていてあげるようにしてくださいね。

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