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皮様嚢腫(成熟嚢胞性奇形腫)は再発性が高い?手術後の妊娠は可能?

   

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女性にとって大変重要な器官である「卵巣」。卵巣は妊娠するために排卵を行ったり、妊娠を維持するためのホルモンを出したりと、妊娠のためには欠かせない器官です。

近年女性特有の病気について取り上げられることも増えてきましたが、この卵巣にできる腫瘍の一つ皮様嚢胞ひようのうほう)」という病気を知っているでしょうか?

今回はこの「皮様嚢胞」について、どのような病気で、どんな治療を行う必要があるのか、紹介したいと思います。

皮様嚢腫(成熟嚢胞性奇形腫)って何?原因や症状とは?

まず、皮様嚢腫とは何かについて説明します。

卵巣は大きく3つの組織から出来ています。第一は、卵巣の表面を覆っている表皮上皮。第二は、排卵される前の卵にあたる胚細胞卵細胞)。そして第三は卵細胞の周りを囲む性索間質で、ホルモンを作る細胞が含まれています。

皮様嚢腫はこのうち、胚細胞からできる腫瘍を指します。「成熟嚢胞性奇形腫」や、「デルモイド」とも呼ばれ、胚細胞由来の腫瘍の中では最もよくみられる腫瘍です。基本的には良性腫瘍ですが、まれに悪性腫瘍に変わることがあるため、注意が必要です。

この皮様嚢腫は、胚細胞(赤ちゃんの元になる細胞)が分裂を始め、表皮や毛髪、皮脂腺などから、筋肉や骨、消化管上皮などになることで出来ると言われています。様々な器官を含む細胞へと変わるため、卵巣が大きくなってしまうのです。しかし、胚細胞が何故突然分裂を始めるのかについて、詳しい原因は分かっていません

皮様嚢腫の症状として、初期では全く無症状のことが多いです。腫瘍が大きくなるにつれて、時に腹痛腹部膨満感腰痛便秘などの症状を認めることがあります。

また皮様嚢腫は茎捻転といって、子宮と卵巣をつないでいる部分が捻れてしまうことがおこりやすい病気です。腫瘍がかなり大きくなると卵巣破裂を引きおこす場合もあります。茎捻転や卵巣破裂をおこすと、腹部に非常に強い激痛が出ることもあります。

皮様嚢腫(成熟嚢胞性奇形腫)の検査方法、治療方法とは?

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皮様嚢胞を見つけるための検査として、まずは内診経腟超音波検査を行います。この検査で卵巣に腫瘍のようなものが発見されれば、採血を行い腫瘍マーカーの反応を調べます。

皮様嚢胞では、CA19-9CEAという腫瘍マーカーが高くなることがあります。超音波検査と腫瘍マーカーから皮様嚢胞と診断されることが多いです。さらに詳しく調べる場合は、MRI検査CT検査を行う場合もあります。

治療方法としては、卵巣腫瘍の場合は基本的に外科的に手術を行うことになります。ただし、無症状で大きさが小さく、悪性の所見が無い場合は様子観察を行うことがあります。この場合も、腫瘍が大きくなっていないか注意深く経過を見る必要があります。

症状がある場合や、腫瘍の大きさが大きい場合徐々に大きくなっている場合や、家族歴で卵巣がんや子宮がん、乳がんなどに既往を持つ人手術を選択することが多いです。

近年では、可能な限り腹腔鏡手術で行う場合が多く、腹腔鏡手術の場合は手術を受けても傷は小さくてすむことが多いようです。

皮様嚢腫(成熟嚢胞性奇形腫)手術後の妊娠は?再発の可能性とは?

手術を受けた後に妊娠が可能なのかどうかは、妊娠を希望する女性からすると、とても重要なポイントだと思います。まずはどのような手術が行われるのかを説明します。

腫瘍核出術

手術にもいくつかの方法があります。まず1つ目は腫瘍核出術といって、腫瘍部分だけをくり抜くよう切除し、卵巣の正常部分を残す手術です。若く妊娠希望のある方に対しては、この術式をとることが多く、この術式の場合腫瘍部以外の卵巣は残るので、手術後の妊娠も可能です。

ただし、悪性の可能性がないと判断された場合にのみ適応となります。

卵巣摘出術

2つ目は卵巣摘出術といって、卵巣は摘出、卵管は温存する手術です。

付属器摘出術

3つ目は、付属器摘出術といって、卵巣と卵管を同時に摘出する手術です。この方法が最も一般的に行われる術式です。腫瘍が片側だけにあり、片側の卵巣・卵管を摘出した場合は、残った方の卵巣が働くため、術後の妊娠も可能です。

ただし両側の卵巣を摘出した場合は、残念ですが妊娠は出来ません

術後の再発率について

術後の再発率ですが、卵巣嚢腫全体で10%ほどと言われています。卵巣嚢腫の中でもチョコレート嚢胞という嚢腫が最も再発率が高く皮様嚢腫はその次に再発率が高いと考えられています。

もちろん手術によって卵巣・卵管をすべて摘出した場合は再発することはありませんが、卵巣の一部だけや片側だけ摘出した場合は、再発する可能性もあるので、注意深く術後の経過をみていく必要があります。

早期発見が大事!気になる点があれば受診を!

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卵巣に出来る良性腫瘍、「皮様嚢腫」について少し分かっていただけたでしょうか。初期症状が出にくい病気ため、早期発見が難しい病気です。

しかし発見が遅れ、腫瘍が大きくなると大きな手術を受けなければいけなかったり、時には妊娠が難しくなる可能性もある病気です。なるべく定期的に婦人科検診を受けるなど、早期発見に努めるようにしましょう。

また、もし腹痛などの自覚症状がある場合は、すぐに病院を受診するようにしてくださいね。

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