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ロキタンスキー症候群の女性に朗報!臨床研究に向け絵準備が進んでいる子宮移植のこと

   

医学の進歩に伴い、生殖補助医療技術は急速に進化し、世界に普及しています。1978年に初めて体外受精によって赤ちゃんが誕生したときは、世界中でさまざまな議論がおこりましたが、いまや不妊治療のスタンダードな手段となっています。

そして現代で盛んに取り組まれているのが、「子宮移植」の研究です。ロキタンスキー症候群の女性が子どもを持てるチャンスが生まれると喜ばれる一方、やはり反対意見もあがっています。

そこで今回は、ロキタンスキー症候群や子宮移植について説明するほか、日本で子宮移植が実現するまでに課題になることについて、一緒に考えてみたいと思います。

ロキタンスキー症候群って何?妊娠できないの?

まず、ロキタンスキー症候群について、説明しておきましょう。ロキタンスキー症候群とは、先天的に膣が欠損し、機能性子宮を持てないという疾患のことをいいます。

欠損部分は膣の一部であることも、全損していることもありますが、女性の約5,000人に1人の割合で発症するとされています。

ロキタンスキー症候群の女性の多くは、卵巣はほぼ正常に機能しており、女性ホルモンの分泌にも問題ありません。外陰部も正常であることから、思春期になるまで発見されないケースがほとんどです。

ロキタンスキー症候群の原因は、胎生期にミューラー管が正常に発達しなかったことだと考えられています。

その結果、膣が欠損したり、子宮が赤ちゃんを育てる機能を持てなくなってしまうのです。そのため、ロキタンスキー症候群の女性は生理がありません。そして、自ら妊娠・出産することもできないのです。

子宮移植って何?その流れとは?

子宮移植とは、ロキタンスキー症候群や病気のために子宮を持たない女性に対し、第三者の子宮を移植することで、妊娠・出産につなげるために行われる手術のことをいいます。

子宮移植の流れとしては、レシピエントと呼ばれる移植を受ける女性に対し、ドナーという提供者の子宮を移植するというものです。

世界的に見ると、子宮移植は2000年から試みられています。ですが、世界で初めて移植した子宮による妊娠・出産が実現したのは2014年のことです。

ロキタンスキー症候群のために生まれつき子宮がなかったスウェーデンの女性に子宮が移植され、無事に出産することができたのです。

子宮移植を望む場合、あらかじめレシピエントの卵子を採卵し、体外受精でできた受精卵を凍結保存することがスタートになります。

その後、レシピエントにドナーの子宮が移植され、それがきちんと生着したことを確認し、さらに1年以上かけて拒絶反応をチェックしながら免疫抑制剤を減量していきます。

そのうえで、夫婦の受精卵を子宮に戻し、妊娠期間も厳重な管理を行い、予定帝王切開で出産するというのが、一般的な流れになります。

出産後に移植した子宮を摘出すれば、レシピエントは免疫抑制剤を飲み続ける必要はなくなります。そのため、一時的な移植と考えられています。

日本で子宮移植が実現するまでの課題とは?

現在、慶応大学をはじめ、東京大学や京都大学が産婦人科医とともに「日本子宮移植プロジェクトチーム」を発足させ、国内での子宮移植実施に向けて研究を続けています。

ですが、日本で子宮移植を実現するためには、さまざまな課題が山積しています。まず、レシピエントにとってもドナーにとっても、身体に与えるリスクがとても高いということです。

移植された子宮がうまく定着せず、壊死することもあり、その場合は再摘出されます。また、強い拒絶反応や感染症をおこすリスクも否定できません

また、移植された子宮で育ち、産まれた子どもの成長にどんな影響が出るのか、現時点では不明なことです。他人の子宮で育った子どもが10年後、20年後に産まれたときと同じように健康である保証は、どこにもないのです。

さらに、子宮移植には高度な技術を必要とすること、自由診療になるので高額な費用が発生すること、心臓や腎臓、肝臓のように命に関わる臓器ではない子宮を移植することに否定的な意見が多いことも、課題といえます。

今後の動きに注目しよう!

晩婚化の進行とともに、日本の初産年齢が上昇し、すべての出産に占める高齢出産の割合も上がっています。そして、不妊治療に取り組むカップルも、年々増え続けています。

ですが、ロキタンスキー症候群の女性には、治療方法がありません。ロキタンスキー症候群の女性が子どもを持ちたいと思ったら、代理母出産するしかないのです。

そしてそれは、日本では認められていません。今後、日本での子宮移植に向けて、さまざまな議論がなされると思います。その動きに、注目していきましょう。

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